狭い土地でも、3階建て住宅は十分な住居スペースを確保できるため、地価の高い都市部での建築によく選ばれます。
さらに、駐車スペースを確保したい方や店舗兼住宅を検討している方にもおすすめです。
そこで、今回は3階建て住宅の利点と欠点を考慮した上で、おすすめの間取りと確認すべきポイントを紹介します。
3階建て住宅のメリット＆デメリット
3階建ての住宅を考える際には、まずそのメリットとデメリットを理解しておくことが重要です。
3階建てのメリットの一つは、狭い敷地でも広いスペースを確保できる点です。
地価の高いエリアでは、広い土地を確保するのは費用がかさむものですが、3階建ての場合は、縦に家を建てることができるため、狭い土地でも室内のスペースを広く取ることができます。
また、各階を自由に使うことができるため、例えば1階を店舗として、2階と3階を住居として利用したり、車が好きな方なら1階を駐車スペースにするなどの柔軟な使い方が可能です。
さらに、高い位置に窓を設置できるため、2階建てと比べて素晴らしい眺望と光を取り入れることができるのも特徴です。
一方、3階建てのデメリットとしては、上下の移動がより大変になることが挙げられます。
高齢の方がいる家庭や二世帯住宅の場合、階段の移動が難しくなり、怪我のリスクが増えるかもしれません。
また、3階建ての住宅では、マンションやビルのような構造計算を行って安全性を確保する必要があるため、費用が高くなると言われています。
これらのメリットとデメリットを考慮した上で、3階建ての住宅を採用するかどうか検討してください。
おススメの間取り
3階建ての住宅では、2階建てとは異なり、住む人のライフスタイルに合わせた間取りを選ぶことができます。
もともとの間取りが予め設定されているわけではなく、自由に変更できるのが特徴です。
例えば、1階にはオフィススペースを設けて在宅勤務ができるようにしたり、2階には子供部屋を作って家族のプライバシーを確保したりすることができます。
このように、3階建て住宅は、2階建てにはない柔軟な間取り選びが可能なので、住む人の多様なニーズに応えることができます。
1階をビルトインの駐車スペースに
敷地が狭い場合、駐車場の確保は難しい課題となります。
一つの解決策として、3階建ての建物においては、1階に組み込み式の車庫を設けることが一般的です。
この場合、1階は車庫スペースやフリースペース、収納スペースをメインに配置し、2階には生活空間としてリビング、キッチン、ダイニングを配置し、3階には個室や寝室を配置します。
これにより、駐車スペースと住居スペースを同じ敷地内で上手に区分することができます。
なお、車庫の床面積は建物の総床面積の5分の1以下であれば、容積率の緩和規定により、総床面積には含まれない場合があります。
このため、車庫の部分の床面積を他の居住空間に利用することが可能です。
また、リビングやダイニングを3階に配置することも可能ですが、注意が必要です。
建築基準法による高さ制限や北側の斜線制限などで、2階から3階の天井高さが制限される場合があります。
このような場合、3階に広い空間が必要なリビングやダイニング、キッチンを配置するためには、1階の天井高さを低く設定したり、他の階の天井高さを調整したりする必要があります。
二世帯住宅は分離する・しないを決める
二世帯住宅では、3階建ての家を選ぶ場合には、快適な生活を送るために間取りを慎重に考えることが非常に重要です。
1階を共有スペースとし、2階と3階を別々の世帯が使用する分離スペースとして計画するのも良い選択です。
しかし、3階建てでは階段を頻繁に利用する必要があり、高齢の人にとっては身体的な負担になる可能性があるというデメリットもあります。
階段の負担を心配する場合には、1階を主に高齢者が利用するスペースとし、3階を子供部屋や物置として活用するなど、高齢者の階段移動を少なくする工夫を考えてみましょう。
また、費用はかかりますが、エレベーターの設置も検討の余地があります。
プライバシーを確保したい場合には、各フロアにトイレやお風呂を設けることも可能ですが、その分、家族が顔を合わせる機会が減ってしまうかもしれません。
そんな場合には、リビング階段や吹き抜けを取り入れることで、相手の存在を感じることができ、コミュニケーションがしやすくなるでしょう。
二世帯住宅では、それぞれの生活スタイルに合わせて分離するか否かを選択し、分離の程度や家族間のコミュニケーションの方法を考慮する必要があります。
お互いの希望を尊重しながら、快適な共同生活を実現するための計画を立てましょう。
LDKは家事動線と生活動線を区切る
リビングやダイニング、キッチンのレイアウトを考える時には、家事活動と生活活動を分けて考えることが大切です。
特に洗面所やお風呂場、トイレなどの水回りのスペースは近くに配置することが好ましいです。
キッチンエリアからのアプローチとリビング・ダイニングエリアからのアプローチの2つを分けることで、水回りが効率的に動くことができ、家事活動と生活活動を分けることができます。
それにより、2つの動線が交差しないため、混雑を避けることができます。
さらに、水回りの設置にはそれぞれのエリアに水道設備を引く必要がありますが、水まわりスペースを近くに集約することで、工事費用を抑えることができます。
このようにすることで、予算を節約することができます。
確認ポイント
上記の文章では、住宅の間取りについて説明しましたが、こちらでは間取りを決める際に重要な要素について詳しく説明します。
そもそも3階建てが建てられない事もある
地域によっては、建物の高さに加えて容積率や建ぺい率の条件が制約となることがあります。
具体的には、第一種低層住居専用地域では、日照配慮規制が採用されています。
これは、建物の高さや配置が周囲の日照を確保するために制限されていることを意味します。
このような地域では、広いスペースが確保されていない場合、例えば建物の周囲に高い建物があるなどの条件があると、3階建ての建物は建てることができない可能性が高くなります。
なぜなら、周囲の建物に日照を遮られることで、住宅内への陽光の入り込みや気候条件が悪化してしまうからです。
したがって、地域によっては建物の高さに制限があることを考慮し、計画を立てる際には地域の規制を確認しておく必要があります。
自分の考えている建物の高さが地域の制約に適合しているかどうかを確認することで、無駄な労力や争いを避けることができます。
ほとんどの場合費用は2階建てより高くなる
3階建ての住宅を建てる場合、構造計算が必要です。
これは、建物の安全性を確保するために重要な手続きであり、特別な資格や機器を必要とするため、費用がかかります。
3階建ての住宅は、壁の耐震性など、規定に合致する必要があります。
そのため、2階建ての住宅と比べて費用が高くなることがあります。
また、3階建ての住宅は自体の重さが大きくなるため、地盤がしっかりとしている必要があります。
したがって、3階建ての住宅を建てる土地の地盤調査を行い、地盤改良が必要かどうかを確認する必要があります。
地盤改良が必要な場合、追加の費用が発生する可能性もあります。
一方、平屋や2階建ての住宅に比べて、3階建ての住宅はトータルで安く抑えることもできる場合があります。
通常、平屋や2階建ての住宅を建てる際は、庭や駐車スペースの確保のために広い土地が必要です。
しかし、3階建ての住宅では、1階のスペースを有効活用することで、狭い土地でも建てることができます。
それにより、平屋や2階建ての住宅よりも費用を抑えることができます。
したがって、3階建ての住宅を建てるかどうかを考える際には、建築会社に相談し、見積もりをもらうことが重要です。
建築会社は、構造計算や地盤調査の結果に基づいて、最適なプランと費用を提案してくれるでしょう。
階段が多くなり家の中の移動の距離が長くなる
3階建てのお家では、2階建てと比べると階段の数が増えるため、狭く感じることや、階段下のスペースに無駄が生じてしまうことが多いです。
もし窮屈さを感じる場合は、階段を骨組みと踏み板だけで作られたスケルトン階段にすることで、より広々とした空間に変えることができます。
また、階段下のデッドスペースを収納スペースとして活用するなど、アレンジの方法次第で改善することができます。
もし気になることがあれば、建築会社に相談してみると良いでしょう。
まとめ
3階建ての住宅には、3つの階のスペースをうまく配置することで、さまざまな使い方が可能です。
例えば、店舗と住居を兼用する場合、1階に店舗スペースを設け、2階と3階を住居スペースとして使うことができます。
また、車庫として利用する場合は、1階に車を駐車するためのスペースを確保し、2階と3階を住居スペースとして使うことができます。
さらに、二世帯住宅として活用する場合は、各階にそれぞれの家族のプライベートスペースを持たせることができます。
3階建ての住宅を考える際には、自分たちのライフスタイルに合わせて、住む人全員が暮らしやすく、使いやすい間取りを選ぶことが重要です。
例えば、家族で過ごす時間を大切にするなら、リビングやダイニングなどの共有スペースを広めにとると良いでしょう。
また、プライベートな時間を大切にするなら、各階に個室を設けることで、各々が自分のスペースを持てます。
間取りの選択は、広さだけでなく、各階の配置や各部屋の役割も考慮する必要があります。
例えば、エレベーターを設置することや、各階にトイレやバスルームを配置することで、移動がスムーズになります。
最後に、設計や間取りを検討する際には、専門家や建築家のアドバイスを受けることもおすすめです。
自分たちの希望や要望をきちんと伝え、最適な間取りプランを作り上げてもらうことで、理想的な3階建ての住宅を実現することができます。
