マンション購入のポイント
資金計画とは、マンションの購入に必要な費用を計画し、無理のない予算を立てることです。
具体的な注意点を解説します。
注意点その1
返済額を適切に計算する 住宅ローンを借りてマンションを購入する場合、まずは自分が毎月どのくらいの返済額までなら無理のない範囲内かを計算しましょう。
この際、「現在の家賃を参考にする」というのは避けるべきです。
なぜなら、家賃は現状の固定費なので、マンション購入後にかかる管理費や修繕積立金、固定資産税などを考慮せずに返済額を設定すると、家計が苦しくなる恐れがあるからです。
一般的な目安としては、月収の25%以下の返済額を設定することが望ましいとされています。
注意点その2
諸費用に注意する マンションの購入には、手数料や税金などの諸費用がかかります。
新築の場合は物件価格の3~6%、中古の場合は6~9%が目安とされています。
この諸費用も事前に計画に含めておく必要があります。
購入予定のマンションの価格に加えて、諸費用を計算しておくことで、実際にかかる総額を正確に把握することができます。
以上のポイントに注意することで、マンションの購入をスムーズに進めることができます。
資金計画や諸費用は見逃しがちな部分ですが、事前に十分な調査・計画を行うことで、納得のいく形での購入が可能となります。
大切な買い物となるマンションの購入には、慎重な準備が欠かせません。
マンションの購入に必要な諸費用とは
通常、住宅ローン融資の対象外であるため、頭金なしでマンションを購入する場合でも、一定の現金を用意する必要があります。
厳密に言えば、「諸費用ローン」として借り入れることは可能ですが、住宅ローンよりも金利が高く、手数料もかかってしまうため、現金で支払うことが望ましいです。
マンションを探すときに見落としがちなポイント
マンションを探す際は、インターネットを利用して物件を検索すると便利で効率的です。
しかし、注意が必要なポイントもあります。
例えば、災害のリスクです。
通常、鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートで建てられたマンションは耐震性が高く、地震で倒壊する危険性はほとんどありません。
しかし、洪水リスクなどの自然災害に関しては、立地によっては注意が必要です。
低層階や高層階においても浸水の可能性がある場合、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
購入前には、ハザードマップで該当エリアの浸水リスクを確認することが重要です。
また、周辺環境も見落としがちなポイントです。
物件情報を見る際は、内装や設備、共用スペースに目が行きがちですが、生活の利便性を考える上で周辺環境も重要な条件となります。
例えば、交通アクセスや商業施設の有無、学校や病院の近さなどを考慮することが重要です。
中古マンションを購入する際のポイント
中古マンションを購入する際には、いくつかのポイントを考慮する必要があります。
まず、交通利便性が重要です。
近くに公共交通機関があるかどうかや、主要な道路にアクセスしやすいかどうかを確認しましょう。
また、商業施設や公共施設までの距離も考慮すべき要素です。
治安も重要なポイントです。
住む地域の治安が良いかどうかを調べておくことは、安心して生活するために必要です。
現地を訪れて周辺の雰囲気を確認することもおすすめです。
学区も考慮すべき要素です。
将来的に子供が通う学校の質や距離は、家族にとって重要な情報です。
近隣の学校の評判やアクセスを調べましょう。
また、日常の生活に影響する要素として、騒音・振動・臭気の有無も重要です。
周辺の環境にノイズや振動がある場合、快適な生活を送ることが難しくなります。
現地を訪れて環境を確認することが大切です。
築年数に注意
中古マンションを購入する場合、築年数も重要なポイントです。
築年数が古いと建物や設備の状態が良くないことが多いため、注意が必要です。
特に築25年を超えると、住宅ローンの利用条件も厳しくなることもあります。
ただし、築25年を過ぎるとマンション価格が下がる傾向もあるので、予算を抑えたい場合には選択肢となります。
築年数は一概に浅ければ良いとは言えないため、予算やリノベーションの可能性などを総合的に考えて判断しましょう。
注意点その3
不動産会社の選び方も重要です。
特に中古マンションを購入する場合は、不動産会社が物件探しや重要事項説明書、売買契約書の準備などをサポートしてくれることが一般的です。
不動産会社を選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
1. ヒアリングを丁寧に行ってくれるかどうか
2. 判断を急かさずに、自分のペースで物件を探せるかどうか
3. 自分の予算に合わせた提案をしてくれるかどうか
4. ポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報も伝えてくれるかどうか
5. 事前調査をしっかりと行っているかどうか
これらのポイントは、不動産会社だけでなく、担当者の力量によっても左右されます。
もし相性が悪かったり、担当者の対応に物足りなさを感じた場合は、遠慮せずに担当者の変更をお願いしましょう。
以上が中古マンションを購入する際のポイントです。
大切な買い物なので、じっくりと考えて選ぶようにしましょう。
注意点その4
内見時のチェックポイントを押さえておこう
新築物件と中古物件では、内見のタイミングが異なります。
新築物件の場合は、まずはモデルルームなどを見学してから売買契約を結ぶことになります。
その後に内覧会が行われ、実際の物件内を見学することができます。
つまり、室内を直接確認できるのは売買契約後ですので、モデルルーム見学の段階で室内のつくりをある程度把握しておく必要があります。
一方、中古マンションでは物件を直接見てから購入するかどうかを決めることができます。
売買契約を結ぶ前に実際に物件内を見学できるため、内見の時点で室内の状態や設備の状況を詳細に確認することが可能です。
このように、中古物件は現物を見てから判断することができますので、内見時には慎重にチェックポイントを押さえておく必要があります。
新築マンション
内覧会のチェックポイント 新築マンションの内覧会は、売買契約が成立した後に行われるため、購入を検討する前のモデルルーム見学や中古マンションの内見とは異なります。
内覧会の主な目的は、建物が当初の図面どおりに建てられているかを確認することです。
もし問題や不具合があれば、補修や修繕の依頼も可能です。
以下では、内覧会で確認すべきチェックポイントを詳しく説明します。
1. 建物の外観:まずは建物全体の外観をチェックしましょう。
壁や窓の傷やひび割れ、塗装の剥がれなどがないか確認します。
2. 共用スペース:エントランスや廊下、エレベーターの内部、共有施設など、共用スペースの状態も重要です。
清潔で整備されているか、不具合や汚れはないかを確認しましょう。
3. マンションの間取り:各部屋の間取り図を見ながら、実際の部屋がそれに則っているかを確認します。
窓やドアの位置、広さ、収納スペースなども注意深くチェックしましょう。
4. 仕上げ・内装:床、壁、天井の仕上げやタイル、キッチンやお風呂の設備など、内装の状態も確認する必要があります。
キズや汚れ、クラックがないか、全体的な仕上がりに問題はないかを確認しましょう。
5. 水回りの機能:キッチンやお風呂、トイレなどの水回りの機能も重要なポイントです。
水漏れや排水の問題、シャワーの水圧や温度調節などを確認し、問題がないか注意深くチェックしましょう。
6. 窓や建具の開閉:各部屋の窓や建具の開閉も確認してみてください。
スムーズに開閉できるかどうか、ゆがみや不具合はないかをチェックしましょう。
7. 騒音対策:周囲の騒音や隣人の音が気になる場合は、内覧時に注意して確認しましょう。
壁や窓の遮音性が十分であるか、防音対策がされているかをチェックします。
8. 外部環境:マンションの周辺環境も重要なポイントです。
交通アクセスや近隣施設、公園や商業施設の距離などを確認し、生活に適した環境かどうかを考慮しましょう。
以上が新築マンションの内覧会で確認すべきポイントです。
内覧時には細部まで注意深くチェックし、自分の要望や条件に合った理想の住まいを見つけてください。
また、不具合や問題がある場合は、すみやかに担当者に報告して対応を依頼しましょう。
中古マンション内見時のチェックポイント
中古マンションを購入する際には、現地を実際に確認してから決断する必要があります。
そのため、新築物件以上に慎重なチェックが必要となります。
以下に、中古マンションの内見時に特にチェックすべきポイントを詳しく説明します。
■外回りのチェックポイント まず、建物の外壁にひび割れがないかを確認してください。
ひび割れがある場合は、建物の構造や耐久性に問題がある可能性がありますので、注意が必要です。
また、外壁の塗装もチェックする必要があります。
塗装が剥がれていたり、色褪せていたりする場合は、定期的なメンテナンスが行われていない可能性がありますので、将来的な費用負担を考慮しましょう。
さらに、階段部分に不具合がないかも確認してください。
階段の段や手すりにゆがみや破損がないかを注意深く見てください。
これらの不具合がある場合、安全性に問題がある可能性もあります。
最後に、周辺にある建物の影響も考慮しましょう。
周辺の建物が高い場合、中古マンションの日当たりに影響を与える可能性があります。
日当たりや風通しの良さもチェックしておくことをおすすめします。
中古マンションの内見時には、以上のチェックポイントを念入りに確認することで、将来のトラブルやコスト増加を避けることができます。
ぜひ、注意深く現地を見学してください。
注意点その5
契約から引き渡しまでの流れを把握しておこう
マンションを購入する際には、物件を選ぶだけでなく、売買契約から引き渡しまでの手続きにも注目することが重要です。
ここでは、契約から引き渡しまでの手順で特に注意すべきポイントを紹介します。
不動産の売買契約を結ぶ前には、必ず宅地建物取引士による「重要事項説明」が行われます。
この重要事項説明とは、契約に関わる重要な事柄のことであり、例えばマンションの状態や取引条件、管理費や共益費の取り扱い、専有部分や共用部分のルールなどが含まれます。
不動産取引において苦情や紛争が発生した場合、最も多い原因は重要事項の説明に関連する問題です。
したがって、売買契約に署名・押印をする前には、重要事項説明書の内容を隅々まで確認し、内容を了承したことを確認する必要があります。
また、重要事項説明書を実際に説明を受ける前にもらうこともできます。
当日になって確認しようとすると、見落としたり確認漏れが生じる可能性があるので、あらかじめチェックしておくことがおすすめです。
売買契約を結ぶ際には、売主に対して「手付金」を支払わなければなりません。
手付金は契約の信頼性を担保する重要な役割を果たすため、通常は物件価格の5~10%程度と高額になります。
手付金の支払い時期に注意が必要です。
住宅ローンの融資が下りる前に手付金を支払わなければなりません。
契約が順調に進めば、手付金は最終的に返還してもらったり、購入代金の一部として充当することもできますが、契約時には現金で手付金を用意する必要があります。
そのため、手付金を支払うためにはある程度の自己資金を確保しておくことが重要です。
残金の決済までに住宅ローン手続きを完了させる
住宅を購入する際に、住宅ローンを利用する場合、まずは売買契約を結んだ後に本審査が行われます。
そして、引き渡し日には、購入代金から手付金などを差し引いた残りの金額を支払うための残金の決済が必要になります。
そのため、売買契約を結んだ後から引き渡し日までの期間中には、住宅ローンに関する本審査から融資実行までの一連の手続きを完了させなければなりません。
引き渡し日当日には、他にも様々な手続きが必要となるため、不動産会社の担当者と相談しながら、一つずつ確実に手続きを完了させましょう。
まとめ
住宅ローンを借りる際には、自分が返済できる金額を考慮して借入額を逆算しましょう。
返済額が自分の予算に合わないと、返済の負担が大きくなりますので注意が必要です。
資金計画を立てる際には、住宅購入にかかる諸費用にも注意を払いましょう。
住宅ローン以外にも、引っ越し費用や手数料、登記費用などが発生しますので、これらも計画に含めて検討しましょう。
住む場所に関しては、災害リスクや周辺環境についてもしっかりと確認しましょう。
よく見落とされがちですが、地震や洪水などのリスクや、近くにある交通機関や商業施設などの利便性も重要なポイントですので、忘れずにチェックしましょう。
中古マンションを購入する場合には、不動産会社の選び方も注意が必要です。
信頼できる不動産会社を選ぶためには、口コミや評判を調べたり、購入実績を確認したりすることが大切です。
また、中古マンションの状態や設備についても、しっかりと確認しましょう。
売買契約をする際には、注意点も把握しておきましょう。
契約内容や約款、解約条件など、契約書をじっくりと読み、納得のいく内容であるか確認しましょう。
また、契約前には必要な書類の準備も忘れずに行っておきましょう。